

マンション共用部改修デザイン
築20年強のマンション共用部のコミュニティスペースのデザイン、カラー、家具やグリーンの選定。管理組合と協力して進めました。
2024.10
Concept
『自然美に寄り添うコミュニケーションスペース』
中庭の植物を感じるリラクゼーションとコミュニケーションの空間
自然との融合を感じ、緑のオアシスのような場所
季節を感じ、人との触れ合いも感じ、住民の皆様の笑顔が溢れる空間に
Before
元々ナースリーとして使用されていた場所が、住人構成の変化などもあって閉鎖となったままのスペース。
エントランスから入ってすぐのところにあり、建築家隈研吾氏がランドスケープデザインを担当した物件で素晴らしい中庭が見える場所。
資産価値のためにも、住人の皆様が喜んで使える場所にすべく、管理組合、理事会、管理会社などが一体となって進めていたプロジェクト。


構造上抜くことができない大きな柱、床や壁は築20年越えだけありかなり傷んでいる状況。
床・壁・天井、間取りも全て変更 する大規模なリノベーションです。
In Progress
間取りの検討、床・壁・天井・巾木・ドアなどを含む内装材の選定、イメージパースの作成などカラーを中心に検討。

中庭に向かって高くなっている勾配天井が活かせるよう天井は突板で。
コストはかかりますが、ビニールクロスのように10年後に剥がれてくるなどの心配が要らないことや経年変化を楽しめる、なんといっても本物の木であることで空間がグッとリッチに。



壁は中庭の緑との繋 がりを持たせることと、この空間に入った人の印象に残るように濃いグリーンを選定。他の子供用施設で使われている緑よりも大人っぽく、高級感を感じさせるトーンで。


色をつけなくてもいい、普通に白でいいのではないかというご意見もありましたが、イメージパースでの比較を提示。歓声が上がり、グリーンが採用。


照明、家具のショールームへも訪問し、スペースにふさわしい機能と量を無駄がないようにチェック。
After

住民の皆様が自由に使用できるラウンジ。
突板の勾配天井、床のナチュラルな木目の色味を揃え、壁のグリーンでシックに。
抜けない柱はモルタル調のクロスを貼り、カウンター席を作りました。
廊下とラウンジの間は壁がないので緩やかに仕切るようフェイクグリーンを設置。
窓際のペンダントライトは締め色の黒で。(もっと下にしたかったのですが、お子様にイタズラされないよう高めにしたいというご要望でした)


家具は小さいお子様が頭をぶつけて怪我をしないように、そして親しみやすいナチュラルな印象にするために丸みを帯びたフォルムの家具を選定しました。
多くの方が使うのでメンテナンスの手配がしやすい国内に工房がある家具メーカーから選定し、水拭きで汚れが落ちやすい素材からセレクトしました。
色は、木目は床や天井と共通点のある黄みがかったオーク材。ファブリックは、黄みベージュ、キャメル、ダークブラウン、ウォームグレーをランダムにリレーションして使用しました。

照明メーカーからのプランより大幅にダウンライトの数を減らしましたが、夜でも十分明るいレベルは確保しました。

ソファは肘なし横からも自由に座れます。
座面はフラットでやや硬めにしたので、切れ目があっても気にせずに詰めて座ることもできます。小さいお子様から大人まで様々な人数や体格の方が不自由なく使えるように配慮しました。

ヨガやダンスなどができる自由スペースは可動扉で分けられるようになっています。
その際小さく区切られるスペースは卓球台を置いて使用されるとのこと。
ここは窓がないので可動扉の上部を磨りガラスにすることで採光を確保してあります。

ワークスペースは他のスペースとちょっと変化を入れ、陰影があるブルーグレーのクロスと青みのグレーのカーペットをメインに、黒・グレーでシャープな印象に。
黒の照明を使うことで、ラウンジなどとの共通点も狙いました。席数は一旦少なめの数にして、使用状況によって机や椅子を買い足すとのこと。買い足しがしやすいように大手オフィス家具メーカーから定番のものをセレクトしました。


コインランドリーの業者が入ることになりましたが、ランドリー機器が鮮やかな赤や黄色だということがわかり、インテリアに馴染まないので許可をいただいてシートを貼りました。木目とモルタル調のクロスを組み合わせ、カフェ風にしました。
ランドリースペースは大きな音がしたり、閉鎖的だと圧迫感が強いので、窓をつけて開放的になっています。エントランスにはフェイクグリーンの鉢やウォールグリーンでここのスペース全体のテーマの統一感を図りました。